臨検監督の状況(平成25年労働基準年報)

監督指導等

第1節  事業場監督

平成25年中に、労働基準監督官が事業場に赴き、監督を実施した件数は、178,133件であり、その内訳は、定期監督等(毎月一定の計画に基づいて実施する監督のほか、一定の重篤な労働災害又は火災・爆発等の事故について、発生直後にその原因究明及び同種災害の再発防止等のために行う監督を含む)が140,499件、申告監督(労働者等からの申告に基づいて実施する監督)が23,408件、再監督(定期監督、申告監督の際に法違反を指摘した事業場のうち、一定のものについて法違反の是正の有無を確認するために行う監督)が14,226件となっている。

1.定期監督等(災害時の監督を含む) 

平成25年中に定期監督等を実施した事業場数140,499件を業種別にみると、建設業が46,475件と最も多く、全体の33.1%を占め、次いで製造業33,498件(同23.8%)、商業20,104件(同14.3%)、保健衛生業9,258件(同6.6%)、接客娯楽業8,027件(同5.7%)の順となっている。

以上の監督実施事業場のうち、何らかの法違反があったものは、95,550件で違反率は68.0%となっている。 これらの違反事業場における法違反の内容を法条項別の違反率でみると、労働時間に関する違反率が32.0%で最も高く、次いで安全基準26.2%、割増賃金22.9%、健康診断19.7%、労働条件の明示18.1%、就業規則13.6%の順になっている。

2.申告監督

平成25年中に取り扱った申告件数は、34,322(前年からの繰越しが5,004件、当該年中の新規受理が29,318)であり、このうち、当年中に完結した件数は29,702件である。

 新規に受理した申告を申告条項別にみると、賃金不払が25,118件で最も多く、新規受理件数の85.7%を占め、次いで解雇の4,691(16.0%)の順となっている。

これらの申告について、被申告事業場に対し申告監督を実施した件数は、申告取扱総数の68.2%に当たる23,408件で、これを業種別にみると、商業4,252(全体の18.2%)、接客娯楽業3,919件(同16.7)、建設業3,603件(同15.4)、その他の事業2,928(12.5)、製造業2,530(10.8)の順となっている。

3.再監督

 平成25年中に再監督を実施した事業場数は、定期監督及び申告監督等により法違反の認められた112,873事業場の12.6%に当たる14,226件となっている。

 

4.使用停止等処分

平成25年中において労働者を就業させる事業の建設物、寄宿舎あるいは設備、原材料等が安全及び衛生に関する基準に違反する等の場合に、労働災害を未然に防止する見地から労働基準監督署長等が行った使用停止等処分件数は、5,909件である。

また、使用停止等処分事業場を業種別にみると、建設業が3,815件、製造業が1,777件であり、この2業種で全体の94.6%を占めている。

 

5.司法処分

平成25年中に、労働基準監督官が司法処分として検察庁に送検した件数は、1,043件であり、その内訳は、労働基準法違反が474件で全体の45.4%を占め、労働安全衛生法違反が560(53.7)、最低賃金法違反が8(0.8)、賃金の支払の確保等に関する法律違反が1件(0.1%)となっている。

これを業種別にみると、建設業が369件で全体の35.4%を占め、製造業231(22.1)、商業79(7.6)、接客娯楽業75(7.2)の順となっており、また、工業的業種計では682(65.4%)、非工業的業種計では361(34.6)となっている。

 

第2節  賃金不払の概況

平成25年中に、全国の労働基準監督署が取り扱った賃金不払事件(平成24年に受理し、平成25年まで処理を継続した事件を含む。以下同じ。)の総数は、件数で20,039(前年比9.3%減)、対象労働者数で41,024(前年比5.8%減)、金額で1599,8016千円(前年比8.7%減)となっている。

このうち平成25年中に、新規に把握した賃金不払事件は、件数で17,547件、対象労働者数で35,515人、金額で約1329,647万円となっている。

さらに、これを業種別にみると、件数では、商業が3,274件で全体の18.7%を占め、次いで接客娯楽業の3,080(17.6)、建設業の2,802(16.0)、の順となっている。また、対象労働者数では商業が6,440(18.1)、製造業が6,220(17.5)の順となっており、金額では、商業が約249,142万円(18.7)、製造業が約232,253万円(17.5)の順となっている。

これら平成25年中に取り扱った賃金不払事件のうち、当該年中に解決されたものは、件数で10,236(全体の51.1)、対象労働者数で17,888(43.6)、金額で約51147万円(31.9)となっている。



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