事例4(協同組合)

1.会社は、出退勤時刻をICカードで把握するとともに、労働者本人が勤怠システムにより残業申請を行うことにより、労働時間管理を行っていたものの、これらの記録に数時間の相違が認められた。そこで、防犯カメラの記録、パソコンのログオフ記録などを確認したところ、時間外労働として取り扱われていない労働時間が認められた。また、職場の雰囲気や慣習などから、残業申請を過少に行っていた労働者も認められた。

2.監督署は、確認した賃金不払残業について是正を勧告するとともに、事業主に対し、①賃金不払残業について全社的な実態調査を実施し、その存在が明らかになった場合には法令に基づく割増賃金を支払うこと、②職場風土の改善など、賃金不払残業解消のために必要な対策を行うことなどについて指導した。

3.会社は、時間外労働の状況について労働者にアンケートを実施するなどして調査を行い、不払となっていた割増賃金(約480人に対する合計約268,000時間分)を支払った。
 また、①経営幹部から、管理職を含めた全労働者に対して、労働時間管理の考え方や正確な申請を行うことなどについて周知徹底を図る、②出退勤時刻と残業申請のあった時間に一定時間の相違があった場合に、管理職や人事部門で時間外労働の有無を確認する、③管理部門が4か月ごとに事務所内を巡回し労働時間管理の実態調査を行うなどの改善策を講じた。



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